2008年09月02日

アミノ酸農法と農業の関係

アミノ酸農法について聞いたことがある人は少ないと思います。

アミノ酸農法というのはアミノ酸のもつ特性を作物の栽培に活かすことで、最小の労力で最大の収穫を得る農業にするというのが最大の目的です。
この場合のアミノ酸とは有機態チッソのことを指して言います。


アミノ酸農法ではアミノ酸を作物に直接吸収させ、効率よく栄養素を調達させることを行います。
これによって、作物の健全な生長を促し、光合成で作られる炭水化物のゆとりを作り出すことができます。
それによるメリットとしては、全天候型で多収・高品質・無病の作物栽培を手にすることができるという点です。

作物が直接アミノ酸を吸収するので、日照不足などにより収量が減る、といった天候によって成果が左右されるということがきわめて少なくなります。
同じ作付け面積において、エネルギーのロスが少なく、安定した収穫量を確保できるとともに、品質面でも安定的に生産病害虫に負けない樹勢ができるということになります。


病害虫に対する抵抗力を増すことができるため、取り込んだ炭水化物をロスすることがなくなり、余った炭水化物を生命力の増強に回すということができます。

植物にとってもストレスが少なく、おいしいものをより多く生産することができます。

タンパク質の中のアミノ酸により旨み成分がアップします。
そして、炭水化物が増えることにより栄養価や糖度がアップするというわけです。


農薬や化学肥料を全く使わない状況では、田圃には有機物を分解する高等微生物が死なないため、それらの微生物が非常に多く繁殖することになります。

また、養分をリサイクルするという観点から、田圃から持ち出すのは作物の実の部分だけで、例えば水稲の籾殻や稲藁などは全て田圃に戻します。
戻した有機物は微生物が分解して、来年の作物のための栄養として土へ戻ります。

稲が土中、水中から豊かな恵みを吸収するのも微生物の働きです。

バランスのとれた栄養価の豊かな米は、有機物を根から取り込むことではじめて手に入るものでしょう。

米はいのちの器。

そのいのちを養うのは微生物の力、そして何よりも土の力なのです。

微生物を豊かに育てる栄養源となるのが、役割を終えて田圃に戻される籾殻や稲藁です。
このようなところから既にいのちの連鎖が始まるわけです。


一方、現代的な農薬や化学肥料を利用した田圃では、古在菌ばかりが増えます。
これらはもっぱら、無機養分の取り込みばかり行います。
古在菌ばかりの田圃の土は有機物の分解ができないので、籾殻や稲藁を田圃に戻したところで、その形のまま春を迎えることになるでしょう。
本来であれば、籾殻や稲藁を土に鋤込むことで分解され、田圃の栄養となるはずなのに、現代の田圃のほとんどでは、鋤き込んでも分解できずにガスがわくだけになってしまっている現状があります。
多くの農家が、稲刈りの終わった田圃で藁を燃やしてしまうのは、それだけ土が死んでいるということを表しているのです。

有機質のない死んだ土から無機質の養分だけを取り込んで育った稲は、タンパク質でもアミドやアンモニアという質の悪いたんぱく質しか作れません。
アミドには苦み成分があり、アンモニアは毒性があります。

苦い作物には虫がつくものです。
アミドが存在するために、ウンカ、かめむし、ドロオイムシといった有害虫が米を好んで食べてしまいます。
そのため農薬を使って防除するという悪循環に陥ってしまうのです。

農薬や化学肥料を使う農業とはそういうものです。
実際には実った作物の栄養価さえ損なってしまっているのです。


ぎゃくにタンパク質やミネラルを分解する高等微生物の多い田圃では、アミノ酸を多く含有した米が収穫できます。
有機農業の田圃から作られるアミノ酸を多く含んだ米はアミドを含むものに比べて分子構造が大きいためか、ウンカやかめむしにとっては消化吸収の効率が悪いようです。
有害虫は有機栽培で作られた有機農作物には近寄りにくいということがあります。
アミノ酸を好むのは人間であり、アミノ酸のうまみのおかげで、有機の米や野菜が甘く旨いということが言えるでしょう。


食育ということが叫ばれて久しいですが、子供たちに本物の味を教えたかったら、まずは有機栽培のものを選んで食べさせることが大切です。
ここで勘違いしてはいけないのが、無農薬、ではなく、有機栽培、である点です。
JAS基準で無農薬というとき、化学肥料の使用は認められているため、有機栽培とはいえません。
あくまでも無農薬ではなく有機栽培のものを食べることが大切です。

化学肥料も農薬も使わない。

それは、農家にとって大変に厳しい農業であることは間違いありません。
ちょっとした病気で全滅に近い状態になってしまうリスクも含んでいますし、特に水稲栽培では、一戸だけで無農薬栽培を行うことはできません。
地域ぐるみで行うことが絶対に必要になりますが、いったん、有機栽培で、と決めることによって、はじめて土が生き返り、甦った土だけが生命を育むことになるのです。

posted by amino-san at 19:01| アミノ酸農法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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